日本でプロサッカーコーチをやってみた

サッカーコーチという「仕事」に興味のある人に向けて、8年間サッカーコーチを職業としてきた人間の情報を発信していきます

サッカーの戦術とセオリー

サッカーというスポーツの戦術と、セオリー、『原理原則』ってなんでしょうか。

不思議なことに、サッカーC級では学びません(笑)

いや、項目はあっても、内容は具体的ではなく、とても選手たちに落とし込めるようなものは学べません。


また、『具体的に』戦術が書いてある、書籍というものも、ほとんど見たことがありません。分析をしているようなものもありますが、『基礎となると』戦術に関して書かれている書籍は、限られています。

日本において出版されている、参考になる書籍については、別な記事でまとめていきたいと思いますが、ひとまず、戦術、とよばれるものと、セオリーと呼ばれるものについて、考えていきたいと思います。


『戦術』



とは、




『ピッチで起こる問題に対して、それを解決する手段、方法』

であると思います。



また、

『セオリー=原理原則』


とは、

『基本となる考え方、法則であり、問題があった時に、そこに立ち返って考えることが出来る、普遍的なもの。』


と言えると思います。


戦術は、相手チームとの相互作用で、発展をしていくもので、毎シーズンごと、もしかしたら毎試合ごとに進化して行っているものかもしれません。
シーズンごとのトレンド、リーグごとのトレンド、そういったものが存在して、トップレベルの監督たちが、日々進化させて行っているものだと思います。


一方で、原理原則、というものは、現在のサッカーのルールの中で行うと考えた時に、そうそう簡単に変化するものではないものだと思います。

ということは、


『変化しないもの』



から導き出されたものでなければいけません。

逆に言えば、


『変化しないもの』


から導き出されたものである限り、


トレンドや、相手によっては

『変化しないもの』


と言えるかと思います。

この原理原則を元にして、様々な戦術が成り立っている、と思います。


最近の戦術と言われるものの一つには、ペップのバルセロナのポゼッションを突き詰めて、相手を押し込む形の戦術や、クロップのドルトムントの、高い位置で奪って(ゲーゲンプレス)からのショートカウンター、やビエルサ監督のマンツーマンをベースとしたオールコートプレスに近い戦術、現在のレアル、バルサの強力な前線3枚を生かすための守備、攻撃、の戦術など、を例として挙げられるでしょう。
分類はそのシーズンごとのチームによるものであり、簡単に、ポゼッション型、やカウンター型、などとは言えない複雑さになってきているように思いますね。


一方で、原理原則、セオリーについて、考えてみましょう。

そのためには、

サッカーに置いて、


『変わらないもの』


を考える必要があります。


ボールの形

ゴールの大きさ

ピッチが長方形型


基本的なルール

人体の構造
※視野、知覚、身体の向きから走る方向など


が挙げられるでしょう。


それらから、考えられたものを、原理原則


と呼ぶことに定義します。


世の中で例えれば、人の手を介して行われる事象ではなく、自然界の中で起きる現象に例えられるでしょう。


ものは上から下に落ちる、太陽は東から西に沈む

数学で言えば、

1+1=2

やその他定理と呼ばれるものなどです。


『たとえ他の解釈をしようとしたとしても、できない類のもの』

です


これは、ぼくが今の日本に絶対的に足りない、絶対に必要なものだと、信じています。

これらをきちんと共有し、選手たちに落とし込むことで得られるメリットは簡単に言えば以下の二つあります


普遍的なものであるため、他のチームでやってきた選手とも、すぐに共有でき、すぐに近い『脳内ビジョン』でサッカーができるようになること。よりたくさんの人とサッカーが楽しみやすくなる。


2
根本のこれらを学ぶことで、『センス』に頼ることなく、サッカーを楽しめるように、理解してプレーしていくことが出来るようになる。
センスのない選手でもサッカーを楽しめるようになる。


と思います。

次回、原理原則、セオリーと呼ばれるものは何だろうか、ぼくなりに考えてきたことを、出していきたいと思います。