戦術コンセプトの具体例【4ー4①】
ようやく、人数は4人に。
ディフェンスラインも、トップの人数も、5バック、6バック、スリートップ、フォートップ…なんて人数は言われたりしますが、基本は、
「2」
と
「3」
「4」
で説明がつきます。
難しいんですよね。人数が増えると。
名古屋の小倉監督だったかな?
「5人目までを意識して…」
って、絶対無理だと思うんですよ。
というか、そんな必要無いんじゃないかと思うんですよね。
2ー2〜4ー4
くらいまでが把握できていれば、ボールから、離れた選手が、逆サイドの状態をしっかりと把握して、状況を判断できれば、連続していくものだと、解釈しています。
4ー4の局面が打開できなかったら、次です。
打開できたら、次の局面で、連続してやるべきことが見えてくるはずです。
サイドの4ー4を打開できれば、次はサイドのエリアから、ゴール前でのエリアの打開の局面へ。
そこのエリアでの選択肢も、プレーモデルから逆算されるものだと思いますが、基本的には、いくつかパターンは決まってます。
そして、その局面、局面でのプレーがしっかりとトレーニングされていれば、その局面の打開のために
「考える」
という作業は、ほぼなくなります。
そして、その、思考することが減ることで、他のことを、逆に考えられるようになるのだと、思っています。
逆サイドはー?相手の枚数はー?相手は疲れてるー?誰が疲れてるー?ポジションずれてるー?
などなど。
そして、そういった細部の判断が、いまのサッカーでは、勝負をわけているのでは無いかと思います。
そこにきて、初めて、強烈な「個性」が求められてくるのだと思うのですね。
メッシやネイマールのように、組織を破壊できる、マスチェラーノやビダルのように、組織を破壊されても、守れる、ノイアーのように、攻守に存在感を発揮できる、ゴール前で、無理なポジションになったとしても、ステップワーク体の使い方で一瞬のリアクションでシュートまで持ち込むスアレス…
など、各選手、当たり前のように、攻守にわたって、最低限の組織でのプレー(少人数でのコンビネーション)をこなしています。
そこへの、労力はあまり、試合中には欠けていないと言えるでしょう。
日本代表を見ていると、それぞれの、選択肢があまりにもバラバラで、その時その時のポジションに、人に応じて、いちいち「考えている」様子が見られます。
だから、遅い印象を受けるし、ボールを奪われた後の対応がまずいことが多いのでは、と。
少人数でのオートマティズム化、そこからさらにチームとしての戦術の幅を広げること(システムをバンバン変えたり、攻守にやり方を試合中に変化させたり)、そして、その上で輝ける「個人」の育成、に、おそらく世界のサッカーは傾いてきていますが、日本にその傾向は見られません。
巧みなボール扱いのテクニックだけが取り上げられたり、ドリブルだけがもてはやされたり…
指導者のエゴで、子どものサッカーの楽しみを限定しないこと
常に、肝に銘じたいところです。
と、前置きが長くなりました。
4ー4①です。
この局面は、
3ー3に、前列に一枚加わった、状態、と考えることができます。
増える選択肢は、
攻撃
①C、Dで、2ー2を打開、3ー2の状態へ
②C、Dから、A、Bどちらかの背後へ、一本で打開
A、Bは、駆け引き
③C、Dから、縦パスが前列に入れる場合
〈A、Bのコンビネーション〉
→A背後、B手前またはその逆
相手がマークについてこなくて、前を向けた場合
→2ー2へ
相手がマークについてきた場合
→瞬間的に2ー2と捉える
→後列C、Dが関わり、3ー3と同じ選択肢へ。
守備
①前列は、2ー3と同じ
②縦パスが入ってからも、3ー3と同じ
③中央エリアへ、縦パスの入った時の対応が、2つ
1パスが出始めそうな時に、初めてアクションを起こして、アプローチして距離を詰める
→スタートポジションは、背後を取られない、背後を狙われた時に、セカンドを狙える距離を保つ
2最初から人よりにポジョンを取り、パスが出る時には素早く距離を詰めてプレスをかけられるポジションを取る
→マンツーマン気味
この辺の組み合わせが、いわゆる
ゾーン
と
マンツーマン
と、
ミックス
の根本になってくるのではと思います。
何にも難しくないですね。
相手Aの選手が、イブラヒモビッチなら、どうすべきなのか、
相手Aが、メッシならどうすべきなのか?
自分と、相手とを考えた時、チームとして、バランスを考えた時、どのポジションを取るべきなのか
に応じて、チームとして取るべき戦術は変わってきますね。
でも、変化させていくためには、選択肢を持たなければなりません。
この、4ー4が染み付いていれば、
試合中に、相手に合わせて、自分たちのコンディションに合わせて、変化させることは可能です。
そして、この4ー4に近い状況で、よく見るトレーニングは、
ですね。
ペップのよくやるやつです。
そして、
も、同じように、このコンセプトを理解するのに、分かりやすいトレーニングと言えます。
僕はだいたいこのどちらかを、習慣付けさせるために、理解できた後は、ルーティーンのように行います。多少のルールや設定を変えて。
そして、これらは、つまりは、
ということになりませんでしょうか??
そして、高いエリアで、どこでフリーな選手、オープンなエリアを作るかに応じて、そこからの選択肢は変化していき、
結果的に、どこに、誰がオープンな状況を作れたかに応じて、その先の展開は変化していきます。
では、次回は、4枚フラットのディフェンスを見ていきたいと思います。