育成年代メインサッカークラブの収益構造②
前回http://japanfootball.hatenablog.com/entry/2016/01/12/165320
の続きです。
前回の記事で、
収益のメインは、月会費、と書きました。
一人当たり会費×スタッフ1人で担当できる人数=スタッフ一人当たりの収益です。
そこで、一定の限界がきます。
スタッフ一人当たりで、担当できる人数というものには当然限りがあります。
日本で一般的になっている、
土日の活動を行わない
「スクール」
という形態と、
平日の練習と、土日に試合に参加する、
「クラブチーム」
と、大きく二つに分けて、書いていきますが、
まずはスクールは、基本的に土日の活動がありませんから、平日に、何コマ、いくつのクラスを担当できるか、という考え方になります。
例えば、平日マックスでコマ割りを考えると、
例えば
15:00-16:30→幼児〜2年生
17:00-18:30→3〜4年生
19:00-20:30→5〜6年生
の3コマ、×5日
として、すべて、週に一回のレッスンのみのクラスだとして、1クラスを30名、会費8000円だとすれば
3コマ×5日×30人×会費8000円
=360万/月
となります。
が、実際にはこんな風に埋まりません笑
こんな風に出来たら、一人当たりの給与はだいぶ高水準になりそうなものです。
実際は週1〜3などで分割してコマ割りをしていきますし、人数もフルで埋まって、450名を抱えられるスクールというのは、見たことがありません。
そして、これが埋まるような人気スクールというのは、フランチャイズ化している、あるいはプロクラブの人気チームだったりするので、末端のスクール担当者に回ってくるお金というのも限りが出てきます。
たいていの場合、一人当たりの担当数は、多くて、30人〜50人の間でしょう。
そして、一方でクラブチームは、となると、
問題は、土日の活動です。
土日に、試合があり、試合をきっちりと行うことを考えると、先ほどのスクールで見た平日のように、うまくコマ割りをして、土日を有効に使うということはできません。
なぜなら相手がいることであり、公式戦は協会などが関係してスケジュールが決定してしまうからです。
そうなると、スクールのように何クラスも抱えることは絶対にできません。
一人、2クラスが大抵限界。3クラスとなると、破綻をし始めます。
選手一人一人に、適切な環境を提供しようとすると、一人当たり、20名が良いところです。
そこを無理して、30名〜50名を、1人で担当しているところもありますが、その歪みは現場に必ず現れています。
そうなれば、クラブチームの単純な収益は
20名×会費10000円=20万
2クラスを見たとして、×2ですね。
と見えてきます。
これは学校も同じです。
クラスは大抵30名クラス。先生一人当たりの収益は限られます。だから、私立は一人当たり高い学費を設定するか、公立は「税金」が投入されて、先生の給与的保証を作るわけです。
単純に考えたら、サッカークラブの現状打破するためには、
『一人当たりの会費を上げる』
という方法か
『税金のように、他からの収益を確保する』
のどちらかの選択肢を取る
ということになりそうです。
そして、僕は一人当たりの会費の増額に限界を感じていますし、他のの収益確保にも、各クラブは問題を抱えているように思います。
それではまた次回。