マッチレビュー【アトレティコーバルセロナ】
チャンピオンズリーグ
セカンドレグ
ファーストレグを2-1と制したバルセロナ。
セカンドレグで巻き返しを狙うアトレティコ。
これまでリーガでのゲームを見ても、バルセロナ優位。
何が起こるかわからない、と思ったら、やっぱりやってくれました。
シメオネのすごいのは、もちろん、闘うこと、闘わせること、なんだとも思うのだけれど、それ以外にも、全てにおいて、能力が高いのではないかと思う。
チームのプレーモデルと、得意な形がマッチしてる、ということもあるのかもしれないけれど。
他のリーグ、他のチームでの監督ぶりも見てみたい監督ですね
さて、バルセロナはいつも通り。
アルバ、マスチェラーノ、ピケ、アウベス
テアシュテーゲン
アトレティコは、442
典型的な形。
それでもこの試合、アトレティコが秀逸だったのは、
①前線からのプレス時のポジショニング
②1列目、2列目の間のスペースのケアのオーガナイズ
③プレスを回避された、ラインを突破されたあとのポジショニング修正の速さ、正確さ
④明確な戦術的準備、フィジカルコンディショニングから裏打ちされた、爆発的なスプリントの繰り返し
と言えるでしょう。
それに対し、瞬間的にできる、数的不利は、想定内とばかりに、簡単に後退することなく、瞬間的な数的不利の中でも、相手パスコースを消しに行きながら、さらにプレスバックで潰しにかかるアトレティコ。
さらに、MSNへ入るところには、マンツーマン気味に狙いを持って、常にプレスがかかる状態を作り出していた。
バルサとしては、プレスの強度が落ちてくることを狙いながら、ボールを出し入れしつつ、相手を動かして、焦らず進めるような狙い。
プレスにはまりかけたときは、無理をせず、蹴っ飛ばしていた。
アトレティコは、攻撃時は、シンプルに、ツートップが、サイドに流れて、サイドのコンビネーションから、クロスで中を狙う形。
まさにそこからの、先制点。
ポゼッション、70-30と出ていたけれど、そんな印象はあまりないようなゴール前侵入回数は圧倒的にアトレティコ。
バルサはボールを保持して、自分たちの持久的な部分をコントロール。
アトレティコは、必ずアウトオブプレーに持ち込む(シュートで終わる、クリアしてしまう)などによって、アウトオブプレー中に、休んでいた印象。
①であげた、プレス時のポジショニングは、状態に応じて、424のように前がかりになりつつ、中盤二枚のポジショニングで、カバーも作りながら、マンツーマンとゾーンを見事にミックスさせて、対応していた。
②は、サイドハーフ、中盤、2トップがそれぞれの局面に応じて、4ー2の中間エリアをマネジメントすることで、それぞれの負担が偏りすぎることを、うまく避けていたのが素晴らしかった。
③は必ず、剥がされたり、突破されることはあるわけだから、そこへのポジショニングの修正が、誰がどこ、と決まっているのではなく、チームの構造に従って、誰が瞬間的に最短でそこに入るべきか、というのが連続して繰り返されていた。
これって、本当にすごいこと。よどみなく、トップの選手が中盤の選手と入れ替わってポジショニングしていたこともあったし、そのおかげで、チームとしての組織は維持されつつ、お互いの体力も最小限の消耗に抑えられる。
①〜③のおかげで、④の、爆発的なスプリントの繰り返しが継続されることになる。
気持ち的に、闘わせることと、そのための戦術的準備をすること。裏付けをとること。
シメオネ、すごい。
そして、このゲームで改めて感じたのは、
そのいわゆる「ハイインテンシティ」なゲームの中で、お互いの、「コンタクトスキル」の高さ。
身体、ボールの置く位置
身体を当てる位置
身体を当てるときの姿勢
それらがものすごいレベルでばちばちやっていた。
同時に、バルセロナの選手は、避けるのもうまい。けど、必要な場面では、コンタクトを厭わず、それもまた高レベル。
少し当て方、姿勢、タイミングがずれると、ファウルになるか、相手に奪われる。
この辺の個人のスキルの部分は、やはりジュニア年代から積み重ねていく必要があって、パワーがついてくる年代で身につけるのでは、遅いのではないかと改めて思いました。
パワーがついてからでは、怪我にもつながる。ファールになってしまう。だから、怖くていかない。というサイクルになりそう。小さな頃から、フィジカルコンタクトを繰り返していれば、大きな怪我には繋がらないし、コンタクトスキルもたくさんのエラーとともに身につけられる。
そして、その根本は、
ボールを守ること
体とボールの位置
であることも忘れてはいけない。
そんなことを考えさせられた試合でした。
戦術コンセプトの具体例【4ー4①】
ようやく、人数は4人に。
ディフェンスラインも、トップの人数も、5バック、6バック、スリートップ、フォートップ…なんて人数は言われたりしますが、基本は、
「2」
と
「3」
「4」
で説明がつきます。
難しいんですよね。人数が増えると。
名古屋の小倉監督だったかな?
「5人目までを意識して…」
って、絶対無理だと思うんですよ。
というか、そんな必要無いんじゃないかと思うんですよね。
2ー2〜4ー4
くらいまでが把握できていれば、ボールから、離れた選手が、逆サイドの状態をしっかりと把握して、状況を判断できれば、連続していくものだと、解釈しています。
4ー4の局面が打開できなかったら、次です。
打開できたら、次の局面で、連続してやるべきことが見えてくるはずです。
サイドの4ー4を打開できれば、次はサイドのエリアから、ゴール前でのエリアの打開の局面へ。
そこのエリアでの選択肢も、プレーモデルから逆算されるものだと思いますが、基本的には、いくつかパターンは決まってます。
そして、その局面、局面でのプレーがしっかりとトレーニングされていれば、その局面の打開のために
「考える」
という作業は、ほぼなくなります。
そして、その、思考することが減ることで、他のことを、逆に考えられるようになるのだと、思っています。
逆サイドはー?相手の枚数はー?相手は疲れてるー?誰が疲れてるー?ポジションずれてるー?
などなど。
そして、そういった細部の判断が、いまのサッカーでは、勝負をわけているのでは無いかと思います。
そこにきて、初めて、強烈な「個性」が求められてくるのだと思うのですね。
メッシやネイマールのように、組織を破壊できる、マスチェラーノやビダルのように、組織を破壊されても、守れる、ノイアーのように、攻守に存在感を発揮できる、ゴール前で、無理なポジションになったとしても、ステップワーク体の使い方で一瞬のリアクションでシュートまで持ち込むスアレス…
など、各選手、当たり前のように、攻守にわたって、最低限の組織でのプレー(少人数でのコンビネーション)をこなしています。
そこへの、労力はあまり、試合中には欠けていないと言えるでしょう。
日本代表を見ていると、それぞれの、選択肢があまりにもバラバラで、その時その時のポジションに、人に応じて、いちいち「考えている」様子が見られます。
だから、遅い印象を受けるし、ボールを奪われた後の対応がまずいことが多いのでは、と。
少人数でのオートマティズム化、そこからさらにチームとしての戦術の幅を広げること(システムをバンバン変えたり、攻守にやり方を試合中に変化させたり)、そして、その上で輝ける「個人」の育成、に、おそらく世界のサッカーは傾いてきていますが、日本にその傾向は見られません。
巧みなボール扱いのテクニックだけが取り上げられたり、ドリブルだけがもてはやされたり…
指導者のエゴで、子どものサッカーの楽しみを限定しないこと
常に、肝に銘じたいところです。
と、前置きが長くなりました。
4ー4①です。
この局面は、
3ー3に、前列に一枚加わった、状態、と考えることができます。
増える選択肢は、
攻撃
①C、Dで、2ー2を打開、3ー2の状態へ
②C、Dから、A、Bどちらかの背後へ、一本で打開
A、Bは、駆け引き
③C、Dから、縦パスが前列に入れる場合
〈A、Bのコンビネーション〉
→A背後、B手前またはその逆
相手がマークについてこなくて、前を向けた場合
→2ー2へ
相手がマークについてきた場合
→瞬間的に2ー2と捉える
→後列C、Dが関わり、3ー3と同じ選択肢へ。
守備
①前列は、2ー3と同じ
②縦パスが入ってからも、3ー3と同じ
③中央エリアへ、縦パスの入った時の対応が、2つ
1パスが出始めそうな時に、初めてアクションを起こして、アプローチして距離を詰める
→スタートポジションは、背後を取られない、背後を狙われた時に、セカンドを狙える距離を保つ
2最初から人よりにポジョンを取り、パスが出る時には素早く距離を詰めてプレスをかけられるポジションを取る
→マンツーマン気味
この辺の組み合わせが、いわゆる
ゾーン
と
マンツーマン
と、
ミックス
の根本になってくるのではと思います。
何にも難しくないですね。
相手Aの選手が、イブラヒモビッチなら、どうすべきなのか、
相手Aが、メッシならどうすべきなのか?
自分と、相手とを考えた時、チームとして、バランスを考えた時、どのポジションを取るべきなのか
に応じて、チームとして取るべき戦術は変わってきますね。
でも、変化させていくためには、選択肢を持たなければなりません。
この、4ー4が染み付いていれば、
試合中に、相手に合わせて、自分たちのコンディションに合わせて、変化させることは可能です。
そして、この4ー4に近い状況で、よく見るトレーニングは、
ですね。
ペップのよくやるやつです。
そして、
も、同じように、このコンセプトを理解するのに、分かりやすいトレーニングと言えます。
僕はだいたいこのどちらかを、習慣付けさせるために、理解できた後は、ルーティーンのように行います。多少のルールや設定を変えて。
そして、これらは、つまりは、
ということになりませんでしょうか??
そして、高いエリアで、どこでフリーな選手、オープンなエリアを作るかに応じて、そこからの選択肢は変化していき、
結果的に、どこに、誰がオープンな状況を作れたかに応じて、その先の展開は変化していきます。
では、次回は、4枚フラットのディフェンスを見ていきたいと思います。
サッカーという競技で変わらないもの
は置いといて…
久々に更新します。
この後、4-4まで行きたいのですが、間に1つ挟みたいな、と。
「人の状況」という要素で分類した場合には、4ー4までが説明できると、11人までは、あとはその組み合わせなだけだと考えています。
1-1.2-2.3-3....と言うのは、プレーエリア、という要素を、排除しています。
サッカーにおいて、プレーエリアは絶対に必要な要素で、これまでの原理原則を踏まえて、プレーエリアを意識した中に、落とし込んでいく必要があります。
エリア、の区分の前に、体得しておくべきものは、
サッカーの、ピッチが、長方形である、ということだと思います。
サッカーのピッチは、楕円ではないし、正方形(ルール的にはオーケーだったでしょうか??)でもありません。
ということで、サッカーという競技を考えた時に、
「変化しないもの」
を考えてみましょう。
・ゴールが2つ(相手ゴール味方ゴール)
・ボールが1つ
・コートが長方形
・多く点を取った方が勝つ
・味方がいる
・相手がいる
こんなところでしょうか。
あとは、
大人用ゴールのサイズ、ペナルティエリアのサイズ
等も変化しないものと捉えられます。
これらに関連することは、
定められたもの
であり、変えることができないこと、です。
つまりは、それに基づいた、考えというのは、
原理原則
と呼べるでしょう。
それから、人間の特徴も同じですね。
目が2つ、前方についており、視野は限られている。
二足歩行であり、身体が浮いていると方向転換できない。
一方向に、加速している場合、逆方向へのターンは、減速、ストップ、方向転換というプロセス抜きでは対応出来ない
身体
について、突き詰めていけば、体の構造上、どうにもならないこと
にたどり着くことでしょう。
そこから、フィジカル的なアプローチというものは発生していると、認識していますが、それは詳しい、他の方に譲るとして…
今回、取り上げるのは
「長方形の特性」
です
その中の、まずは
「四角形」
の、特性の理解を取り上げます。
誰でも知ってる、
鳥カゴ
ロンド
これらは、四角形という、特性をよく理解することができます。
まずは、下記を
この場合、自分の選択肢となる角度は、90度しかありません。
ですが、
であれば、180度近く
になります。
また、
よりも、
の方が、四角の広さを、めいいっぱい利用して、相手からの距離をとることに成功しています。
鳥カゴ、ロンドの一般的なテーマは、
ボールを取られない
ということですから、そのためには、オフェンス側は
パスの選択肢がより多い
相手からより遠くでパスを受ける
ことで、取られる確率は低くなります。
この、
このエリアでのプレーというのは、簡単に言えば、不利と言えるでしょう。
試合中にも、ディフェンス側は、相手の状態を如何に不利なものとし、ボールを奪うかを考えます。
オフェンス側は、如何に自分たちが有利な状況で、シュートまで行くか、を考えるでしょう。
であれば、このエリアはできるだけ、使うべきではありません。
けれども、逆にこのエリアに入ることで、相手の心理を逆手に取ることもできますし、相手陣内のこのエリアは逆に言えば、
自陣ゴールから、最も遠いエリア
であり、ボールを相手が持った瞬間に、相手の方がエリアとしては不利なエリアに入っていることになることから、
ボールを失う可能性の高いプレーが許させるエリア
とも言えます。
それか、サイドですね。サイドも同じ理由だと思います。背中側からあいてがくることありませんし、自陣ゴールからも遠く、ボールを失った際に、ボール保持者の選択肢を減らしやすいエリアだからです。
彼らは、頭で理解してるかどうかは知りませんが、しっかりと、サッカーというスポーツの特徴を、理解してます。
というわけで、四角形の特性は、簡単に言えば、
「角のエリアは基本的に、ボールホルダーが不利になる」
ということです
そして、このロンドというのは非常にわかりやすく、
「相手にボールを取られない」
「フリーな選手を作る」
というコンセプトのためには非常に欠かせません。
4ー1を、拡大していくと…
ということになりませんか?
人が増えて、エリアが広くなっただけで、基本構造は変わりません。
まずは、4ー1
これがしっかりと楽しめるようになっているか?
は、ボールを保持する、というコンセプトを身につけるためには欠かせません。
そして、ここから見えてくるものは、
横幅は、
「選手がポジションを取ることで、最大限確保可能」
だが、
縦幅は、
「相手ディフェンスラインとの駆け引きが必要」
となってくるのがわかるかと思います。
ラインが下がれば下がっただけ、大きなコートで、ロンドが出来るようなものです。
今回は、そんなところで…
トレーニングのオーガナイズ
「テクニック」
テクニックとは、それ単体で切り離されるべきものではなく、戦術的行為を発揮するものとして、定義されるべきもの。
つまりは、学びとりたい戦術と、テクニックとの連動性を持たせる必要がある、と言い換えることができる。
例えば、トレーニングメソッドとして、
①アナリティコ
→いわゆる、ドリル形式のトレーニング
相手がいないため、技術に焦点が合っており、切り取られすぎたトレーニングとも言われる。
頭から下だけを鍛えてる、なんて揶揄されたりする。
人にもよるけれど、時と場合によって、有用な時があるもの。
②グローバル
→相手がいた中で、判断を伴ったトレーニング。
ポゼッションなど。
頭と身体を同時に使う。
③インテグラル
→プレーを、前、中、後と、一連の流れの中で、トレーニング中に、再現されるようにオーガナイズされたトレーニング
例・カウンター
→ボール保持or突破(前)→ボールロストから、素早くカウンター(中)→フィニッシュor突破orロスト
④システマティコ
→自チームのコンセプトから、落とし込まれ、より実践に近い状況を、選手配置や、相手の状況など再現した中でトレーニングする
→自チーム433。4枚でのビルドアップ時、ボランチとの連携からのビルドアップを想定
以上のような4つのトレーニングメソッドがスペインでは定義付けされているが、年代によって、その割合は変わっているそう
※詳しくは、こちらが、詳しく記載されてる
だけれど、変わらないのは、戦術に基づいて、全ては組み立てていくべきものだということ。
1-1
で、例えば、味方へパスを出す、受ける、外す、というコンセプトを考えた時には、相手のどちらの足に、どのようなパスを出すのか、そのパスによって、味方に次に何をしてもらいたいパスなのか?を考えなければならないし、そのために、パスの種類を使い分けられる、技術、テクニックが必要になる。
前を向けるパス、背負うパス、背後へのパス、グラウンダーか、浮き球か。など。
そして、受け手の状況に応じた、コントロールのテクニックが必要だ。ワンタッチで前を向くのか、相手を背負うのか。ボールを足元に止めるのか、左右にずらすのか。など。
2人組
であれば、ドリブルしながら、相手を見て、パスかドリブルか選べるような持ち方のテクニックを身につけるし、パスの精度が必要だし、ワンツーのテクニックが求められるし、縦に走り抜けた時のボールコントロール、縦に抜けてからのワンツー、などのテクニックが求められる。
それに応じた、アナリティコトレーニングが組まれることは、間違いではないと思う。
上記の設定に加えて、トレーニングメニューのオーガナイズにおいては、
①方向性なし
→正方形、円のポゼッションなど。
②一方向
片方のみ攻撃方向あり
→奪ったら、ボールキープ、コーチへパスなど
③双方向
双方向へ攻撃方向を持ったトレーニング
ゲーム形式、より実践に近い
得点の仕方
①ボール奪って〜
②ライン突破
③ゴール増やす※2つ、3つ…
④通常
※特定の形からの得点で、2点、3点
※攻撃は2点、守備は1点、など傾斜配点
ルールの設定
・何タッチしてから、突破
・ラインを超えて守備はできない
・ラインを超えなければゴールは奪えない
…など
変化させるもの
①コートの広さ
②様々なルール
③人数
出したい現象をもとに、これらを変化させることで、トレーニングをオーガナイズしていくことができる。
自チームの、コンセプト、フォーメーション、などが固まってくると、まさしく、いま売ってる練習メニューばかりをまとめただけの書籍には、大した意味がなくなってくる。
上記の要素をなどをいじることによって、オリジナルのメニューが組まれてくるからだ。
自然と、「選手たちにとっていま最も必要なトレーニング」を考えると、巷に溢れてるメニューがコンセプトのないものであることが多いことから、当てはまらない場合が多い。
全ては、そのチームに適した形に。
同じ進め方をする必要はない。
戦術コンセプトの具体例【3-3④】
戦術コンセプトの具体例【3-3④】
ディフェンス2-1に対して、オフェンスが1-2
前線へリスクをかけて枚数をかけている状況といえる
後ろでボールは持たず、前線へシンプルに
→失った時に不利になる
前線の2枚は、ルーズなボールを収める工夫をする
攻撃優先順位
①背後をつく
→もう一枚はセカンドを狙う
②相手を抑えて、ボールを収める
→2人目を使う
→自らターンして
→三人目を使う
→入れ替わる ポジションチェンジ
③相手ともつれて、ボールをルーズなボール状況にする。カオスな状況を「意図的に」つくるとも言える
→相手守備もばらける
→素早く奪い、崩れたディフェンス組織を突く
守備
・背後を取らせない
→ヘディングのポイントの整理
・縦パス、ロングボールへの対応
→チャレンジ、カバー、セカンド狙う
→ポストプレーへの対応
・追い越してくるオフェンスを視野に入れること
この状況は、11人において、ビルドアップではなく、例えばプレスがかかった時、例えばチームコンセプトとして、後ろでリスクを負わないコンセプトの時に、現れる現象
ここまでが、ベースとなる。
この状況を多く出したいなら、3ー3+GK
2-2を出したいなら、2-2+GK
といった具合に、習得状況におうじて、人数、ピッチサイズ等を変化させることで、状況の頻度を上げる
戦術コンセプトの具体例【3-3③】
ディフェンス三枚が横並び
3-3②のファーストディフェンスと、相手の状況を考えると、2-1の局面と見ることができる
ファーストディフェンスは、安易に飛び込まず、自分のラインを突破されないことを頭に入れる
→体の向き、ポジショニング
→1人目が離れすぎると、ボールホルダーがフリーになり、選択肢を与えてしまう。
→二列目が下がらざるをえなくなる
相手との適度な距離を保ちながら、一列目が下がっていき、二列目も一定の高さを保とうとすると、ラインが吸収される状況が生まれる
→下がりすぎると、フルピッチで言えば、ゴール前に侵入されることを意味する
→シュートエリアまで侵入を許してしまう
→後列を高さを保つことで、3枚横並びのディフェンスのポジショニングが生まれる
→最終ライン
3-3①から、3-3②、3-3③の順に、ボールホルダーへのプレッシャのかかり方が違うと言い換えられる。
つまり、①=奪う割合高い ②=奪うと突破させないの中間 ③奪う、というより、突破させない方が割合高い
となる。
ここで、一度整理すると、守備の目的は、
①奪う
②突破させない
③ゴールを守る
④クロスを上げさせない
ディフェンス三枚が横並びになることで、横幅をカバーできる。
ボールが移動した際に、アプローチをそれぞれがかけると、
以下のように、カバーに入る必要がある
①中央
ボールへ1人アプローチ
両側が中央へ
その際、後ろの2人は、3-2の時と同様に考えると、スムーズ。3-2プラス、1人ボールホルダーへアプローチしているイメージで、ポジショニング
②左右
左右の場合は、2-2+2-1のイメージをすると守りやすい
このように、1人が複数の選択肢をカバーすることで、強固なディフェンス組織が構築されることになる。
相手の配置よりも、味方の関係性を優先しているこのディフェンスの仕方が、おそらくゾーンディフェンスの基礎になっているものと思われる。
この構築をすることで、走る距離はセーブされることになる。
上述した、奪う→突破させない→ゴールを守る、クロスを上げさせない
という一連の流れは、そのまま、フィールドのどの位置で、どのようなポジションの選手がどのようなプロセスで守備を行うかのプロセスにそのまま通じる
①は前線や、ボールロスト時のボール奪回の局面、②は、二列目、相手のビルドアップへの対応の局面、③はゴール前、アタッキングサードでの局面、とつながる。
それぞれに応じて変化するが、局面を意識せずに、ルールを設定することなどによって、「基本的な動き、選択肢」の整理を行うことに重点を置いてから、エリアの概念を持ち込むことも必要な場合がある。
エリアを持ち込むことで、頭の中への負荷は高くなる。
この辺りまで、オートマチックに染み込んでくると、11人制に、エリアや局面などを繋げていきやすくなる。
→脳の負荷が下がる。
→一部が、考えずに出来るため。
逆に、ここまでが出来るようになるまで、11人制の有用度は低いのかもしれない
戦術コンセプトの具体例【3-3②】
攻撃
・優先順位は3ー3①と変わらない
→前線で背後を狙うのは、ディフェンスが2人いるので難易度は高くなる
下記の狙いが加わる
・守備ABCで作られたゾーンでボールを受けることを狙うこと
→A、Bが曖昧になる状況を生む。
ボールを受けることが出来たら、攻撃B、Cが素早くサポートをして数的有利を作る※3-2、あるいは2-2
・守備Aのラインを攻撃B、Cで打開することを目指す。
そのために、幅をうまく使うこと
→守備Bが前に出るか、Cがそのままアプローチを続けるかの判断を強いる
→2-1が作られる
守備
・守備Cは、自分のラインを突破させないことを目指しながら、守備B、Cとの距離が十分な場合、後ろに後退しすぎることなく、パスコースの限定から、相手を誘導して、縦方向へドリブルさせ、数的有利を作る
・狙い通りに限定ができず、ラインを突破された場合、守備B、Cの動きを見て、どこへ戻るのかを判断する
・守備cのスライドが間に合わない場合、守備A、Bが前に出て、守備Cが、後列に加わる。
その際、二つの選択肢がある
選択肢②の場合は、Cの戻る場所は下記の通り
・マンツーマンよりも、後方に枚数をかけることで、パス一本での打開を防ぐ狙いがあり、的確に連動出来れば、強固な守備となる
この守備によって、横の二人組の関係に加えて、縦の関係が出てくる。